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北城貴子展 作品紹介:Prismatic Color 5
prismatic_color 5 / 1303x1940mm(120号) / キャンバスに油彩 / 2018

  • 北城貴子展 作品紹介:Prismatic Color 5

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北城貴子展 作品紹介:Prismatic Color 5

現在開催中の北城貴子個展「Spectrum」より、新作を紹介します。

まるでサバンナの夕日を思わせる120号の作品は、今年の夏に描かれました。「今年は夏暑くて、空の色が濃くて彩度の高い日が多かったんです。水面の色も空の色を反射して、あまり今までにない色がみえてきました」と語る北城さん。空・雲・水といったつかみどころのないモチーフを描くとき、あくまでそれらをつつみこむ空気とそこに差し込む光を冷静にみつめ、油彩の場合には作品の空間を構成していくといいます。画面の中にいくつかのレイヤーが重なり、深度をかたちづくっていくのです。

Saturation-1 / 2620×1970mm / キャンバスに油彩 / 2012


これまでにも作家は雪で充満して、飽和状態になっている空気を描いたことがあります。初めて家族と一緒に青森の雪を体験したときの作品です。この作品は作家が2回目のVOCA展に選出されたときのもので、樹木の枝がまるで身体を流れる毛細血管のような勢いで描かれています。描きこまれたディテールの折り重なりには、スピード感をもって描かれるドローイングにはない強さが感じられます。

ResonatingLight1 / 1303×1620mm / キャンバスに油彩 / 2009


作家にとって、空や水面はどこにでもある大切な要素。これまで多くのファンを集めてきた大原美術館のある倉敷や、喜多方の山岳風景などそこでしか成立しえない作品と、いつでも描けるからこそ天候やそのときの作家の気持ちなど一瞬の光と空気をとらえて描ききる作品の両軸を展開させています。このPrismatic Color 5の放つ光を見にお出かけになりませんか。同じシリーズの大小さまざまな油彩画や初期のドローイングも展示しております。

■北城貴子 - Spectrum
2018年 10月 19日 (金) - 11月 11日 (日)
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Drawing / 500x650mm / 紙に水彩 / 2003

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