展覧会Exhibition

角文平  The garden / Secret room
Floating Island #03, 2021 ©Bunpei Kado/ Art Front gallery

  • 角文平  The garden / Secret room

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角文平 The garden / Secret room

5月21日(金)-6月20日(日)

この度アートフロントギャラリーでは、角文平の個展 The garden / Secret roomを開催致します。
日程 5月21日(金)-6月20日(日)
営業時間 水~金 12:00-19:00 / 土日 11:00 - 17:00
休廊日 月曜日、火曜日
作家在廊日 5月21日(金)、23日(日)、30日(日)、6月6日(日)、13日(日)、20日(日)いずれも午後 ※予定は予告なく変更になる場合があります
角文平は1978年福井生まれ。瀬戸内国際芸術祭2013, 奥能登国際芸術祭2017など国際展にも名をつらね、将来を期待される作家のひとりである。

角の作品の本質は日常に在るありふれたものをパズルのように組み合わせることで、本来の物が持つ機能や内容をずらし、新たな意味を生じさせることにある。角が用いる道具や物は、ごくありきたりの日常の一部のように見える。しかしそれは、作家本人の手によって、その時に生み出される想像上での姿かたちなのだ。我々が日常を「こうである」と信じているその姿がそこに投影されている。実物の隣に置いたときに、はじめて我々はそれが社会によって植え付けられた思い込みに過ぎないことを認識できるだろう。この驚くべき状況を作り出すのは、1ミリの妥協も許さないような職人かたぎな角のモノづくり技術の高さである。この技術の高さに柔軟な発想力と遊び心が合わさることでその作品は、ユニークになり実に多様な展開を見せている。

過去作において家をモチーフにしたシリーズの制作を通じて、角は現代における都市の住環境の在り方に一石を投じた。「ボーダーライン」ではスケートボードで出来た地面の上に家が建ち、不安定な大地を表現し都市開発や造成により造られた自然の曖昧さを明らかにした。また、「Fountain」シリーズでは世界中の列強が追い求める石油やガスなど、埋蔵資源の大量消費による地球規模だが目に見えない変化を、作品を通して可視化するなど、眼前に訝しげにうごめく不安感をもテーマに制作している。時には現代社会においての闇ともとれる重いテーマに触れつつも、そのとらえ方は分析的で、角が作り上げる作品は常に明るくユニークである。その姿は一見すると玩具のように見えるポップさや、老若男女が理解しうる日常的な姿でうまく表現されている。仏人美術評論家クレリア・チェルニック氏が作品の「軽さと重みの共存」が「現代社会の見えない矛盾や不条理を明らかにする」と評したように、角の作品の持つ軽やかな飛躍はアートが果たす社会の役割として海外からも注目されている。

今回アートフロントの展示では、今年の2月に広島現代美術館主催で開催されたどこ✕デザに出品された原爆投下後のパラレルワールドを表現した作品のアップデート版と昨年のsanwacompany Art Awardで発表されたボルダリングシリーズの最新作を展示する。

"壁庭" 2019、サンワカンパニーアートアワード2020出品作品


壁面から身体へ、身体から都市へ
南條史生 (森美術館特別顧問)

 サンワカンパニーアートアワード2020の受賞作は審査員の意表を突くものだった。それは作品のメインの素材がボルダリングのホールドを用いた作品だったからだ。通常このホールドを見慣れた人でも、これがアートの重要な素材に転用できると思いつくだろうか。展示された作品を見るとそれは枯山水の石のポジションを平面上に展開、ある種空間の構造と化している。しかし禅寺の枯山水には似合わずカラフルでポップである。そこに奇妙で予想外の対比が起こっている。日本の古典文化がポップな装いで登場し、それがスポーツの世界へ、そしてオリンピックへと連想を繋ぐ。ボルダリングの壁面上の身体の動きがアートへと転嫁する。オリンピック前年の2019年にこれほどタイムリーで日本らしい現代美術はあっただろうか。ということで、審査員の意見の一致を見てアワードの大賞となった。

 しかし角のこれまでの作品を見ると、そこには一貫して奇妙で独特の表現言語が見え隠れすることがわかる。それはある種の「ポエティックな思考」のあり方ということもできるのではないか。これまでの作品のモチーフで一番多く登場するのは、家の形である。それは都市というのでもなく、建築でもなく、まさに人の住む「家」を意図しているように見える。それがあたかも部品のように手玉に取られ、意表を突く形で状況の中に取り込まれている。時には、小さな基盤の上に、あるいは揺れ動く船の上にノマドのように、環境の部品のように設置される。木や、動物、船といった他の素材も、インスタレーションの部品として再構築される。熊の上に生え出る草の芽は、何かのアイロニーなのか? 無関係だったはずの事物が併置され、そこに新たなシンタックス=物語が生まれてくる。複数の事例を見ないと、そのことの事実がわからない。しかしこの彼の言語がわかり始めると、事物の意味が変わって見える。それは驚きをともなうある種の覚醒だ。これまでの手法を援用し、新作を発表する今回の個展は、さらに新たな覚醒をもたらしてくれるのではなかろうか。

"Secret room" 2021、
ゲンビどこでも企画×ゲンビ「広島ブランド」デザイン スペシャル公募2020展 どこxデザ in 旧日本銀行広島支店 photo by Kenichi Harada

アーティスト

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