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大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015 リポート No.3 - ジミー ・リャオ
今年の大地の芸術祭もいよいよ終盤に入りました。
まだこれから、という方も多いはず。
300を超える作品の中からギャラリースタッフの厳選したお薦め作品を新旧とりまぜて
アートの視点から解説します。完成に至るまでのアーティストや製作スタッフの活動についてもご紹介します。
単線の飯山線駅に降り立つと、カマボコ型の小屋がみえます。一日にほんの少ししか乗降客のいないこの駅がこの夏、大勢の来場者をよびこんでいます。中にはいると電車の走っていくようすが映像で流れ、両脇には絵本の原画が並んでいます。
(c)Gentarou Ishizuka
野山を走っていく電車の中で家族と過ごしたいろいろな場面を思い出しながら、次第に未来に向かって「ひとり」を意識し、大人になる決意をする僕。傍らにはいつもパートナーのプリンがいて、勇気を与えてくれます。そんなほのぼのとした作品が心に響いてくるのも、駅を取り囲む自然の美しさがまずゆったりとした感覚を投げかけるからかもしれません。また、山がちな周辺地域をトンネルで結んできた地域のたくましさ、北陸新幹線等によって在来線の利用が減ってくる哀愁も感じさせる作品です。
(c)Gentarou Ishizuka
ジミー・リャオは台湾の人気絵本作家で、その作品は15か国以上で翻訳されています。
彼が自ら公募部門に応募してこの作品の実現にこぎつけたことは、妻有が東アジアに根付き、アーティストや来場者を刺激していることを示しているのではないでしょうか。
(レポート 坪井みどり, reported by Midori Tsuboi, Art Front Gallery)
大地の芸術祭のパスポートは東京事務局、代官山のアートフロントギャラリーでも販売しております。ガイドブックと合わせ出発前に手に入れて事前に計画を練って行かれると効率よく廻れます。