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Gallery's Picks for the Month (2023落山風藝術季)
ギャラリー
2023年12月15日(金)から2024年2月25日(日)まで、台湾にて「2023落山風藝術季」が開催されます。その台湾の芸術祭と連動して、現在アートフロントギャラリー1Fの商談室では、関係作家たちの作品を展示・販売しています。このページでは「2023落山風藝術季」出品作品と、彼らの日本で見れる作品についてご紹介します。
(作品のお問い合わせ:contact@artfrontgallery.com )
■2023落山風藝術季 -風的頻率- Luo Shan Feng Arts Festival
会期:2023年12月15日(金)から2024年2月25日(日)
テーマ:Frequency of The Wind
会場:屏東海口港 看海美術館 Seaside Gallery(屏東、台湾)
ウェブサイト
Artist:
大巻伸嗣、角文平、南条嘉毅、大岩オスカール、アルフレド&イザベル・アキリザン、東弘一郎(屋外展示)、ほか
アルフレド&イザベル・アキリザン
アルフレド&イザベル・アキリザンは、フィリピン生まれ、オーストラリア在住のアーテイストです。様々な国際展への参加や、日本を含むアジア各国におけるプロジェクトを多数手がけています。2006年にブリスベン(オーストラリア)に移住したことを契機に、「家(home)」をテーマにした「プロジェクトーもうひとつの国(Project Another Country)」を開始しました。
彼らは夫婦であり、親であり、アーティストです。それぞれクリエイティブな職業を追求しながらも、5人の子供を持つ家庭での日常生活を共同制作のテーマとしています。子供たちを育てる義務と、彼らの幸福を保証する親密さが、作品に集団的な習慣(収集と帰属)を反映させることに繋がったと言えるでしょう。
また、彼らの作品には、故郷や国の記憶が色濃く反映されています。彼らの作品における「記憶」とは、人、場所、出会いなど日々の生活の歴史やそれを記録した成果物をさし、その生活を回想する為のプロセスとなっています。このような芸術的プロセスに取り組むことで、彼らはプロジェクトの現場となる地域社会と協力し、そこに住む人々のとのつながりを築いていくのです。家庭用品、思い出の品、日用品、使われたもの、捨てられたものを集めることで、彼らは相互作用のシステムとしての芸術の生態系を回復させ、違いを相互に批評し合い、コミュニティの収束の可能性を探るパワフルなプレゼンテーションを行っています。
大岩オスカール
大岩オスカールは、物語性と社会風刺に満ちた世界観を、力強くキャンバスに表現するアーティストです。独特のユーモアと想像力で、サンパウロ、東京、ニューヨークと居を移しながら制作活動を行っています。日本人の両親のもとにサンパウロで生まれた彼は、サンパウロ大学建築学部を卒業。その後、東京の建築事務所で働きながらアーティストとしても活動をはじめました。現在は米国を拠点としています。彼はよく旅をし、移動しながら複数の文化に根差した自らのアイデンティティを模索しているようにも感じられます。緻密なタッチや鳥瞰図的な構図を使い、新聞記事やネットの中に社会問題の糸口を見出し、入念なリサーチをもとに大画面をしあげる彼の作風のファンは多く、国内外の多くの美術館で作品が収蔵されています。
角文平
角文平は昨今様々な場所で飛躍的に活動の場を広げているアーテイストです。現在も、エルメス 髙島屋京都店にて「百鬼夜行」をテーマに古い道具に宿るといわれている九十九神(つくもがみ)をイメージしたショーウィンドウ作品を発表。彼らしいブランドの丁寧なモノづくりへの敬意が感じられる作品となっています。また、9月に韓国ソウルで開催されたアートフェアKiaf SEOULでは、世界各地の参加ギャラリー150名以上のアーティストの中から、来場者の投票によって選ばれるKiaf SEOUL 2023 Highlightsにてベスト3に入賞するなど、世界からも注目されている作家のひとりです。
彼は、子供のように自由な発想力を基にした素直な表現力と、日本人らしい繊細な造形力を基にした再現力が魅力的なアーテイストです。その制作物は、丹念に作り上げられているにもかかわらず、一見どこかから拾ってきた日常品かのような錯覚を起こさせます。ユーモラスな機知にとんだアイディアで、組み合わされた日常はいつも微かな違和感があり作品を注視させる力があります。
今回、台湾にて発表する《夢枕の船2023》は、2013年の瀬戸内国際芸術祭で制作された作品をベースに、落山風藝術季2023のテーマ「Frequency of The Wind」にあわせて制作される新作です。かつて人々が航海や日常生活で使用していたオブジェを配置し、ものに宿る「九十九神」をイメージするかのように作品を制作。 かつて大海原に飛び出した船乗りたちの夢を描くように、船や島の風景を再構築させます。
東弘一郎
東弘一郎は1998年生まれ。地域住民から集めた自転車などのジャンクと金属を組み合わせて、主に動く立体作品を制作しているアーテイストです。近年は主に放置自転車を素材として使用。それは、彼が茨城県の取手市に住んだことがきっかけで、地元の問題とされている大量の放置自転車に出会い、そこから様々な地域でのアートワークへと繋がってきました。そして、各地で自転車を収集し、さまざまな地域でたくさんの人に出会い、地域の人々と関わり合いながら作品を制作するようになったことで、地域の職人とアーティストが協働し作品制作を行うプロジェクトを開催するなど、作品制作だけにとどまらない幅広い活動を行っています。
そんな彼が今回台湾で発表するのは巨大な新作《風⾞輪 / Wind Wheel》です。開催地である台湾・屏東県は風が強く、その強風の⼒を活かした作品を作りたいと思い制作されました。風の⼒は巨⼤なプロペラを通り、シャフトの回転を駆動刷ると共に⾃転⾞の⾞輪の回転を駆動。最終的にすべての⾞輪にエネルギーを伝えます。風の力と方向は予測不可能であり、刻々と変化する自然との関わり方を視覚的に示しているかのようです。
■2023落山風藝術季 -風的頻率- Luo Shan Feng Please Respond
会期:2023年12月15日(金)から2024年2月25日(日)
テーマ:Frequency of The Wind
会場:屏東海口港 看海美術館 Seaside Gallery(屏東、台湾)
ウェブサイト
Artist:
大巻伸嗣、角文平、南条嘉毅、大岩オスカール、アルフレド&イザベル・アキリザン、東弘一郎(屋外展示)、ほか