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大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015 リポート No.10 - 田中芳
作家名: 田中 芳 Kaori Tanaka
作品タイトル:けれども、たしかにある光 Remaining Light
作品番号: K090
場所: 川西 
制作年: 2015

  • 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015 リポート No.10 - 田中芳

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大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015 リポート No.10 - 田中芳

大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ

今年の大地の芸術祭もいよいよ終盤に入りました。
まだこれから、という方も多いはず。
300を超える作品の中からギャラリースタッフの厳選したお薦め作品を新旧とりまぜて
アートの視点から解説します。完成に至るまでのアーティストや製作スタッフの活動についてもご紹介します。

田中芳(1959-2013)は、草や木や石や士、雨や雪、流れる水、月、風など、自然をテーマに描く日本画家です。一昨年、53歳の若さで急逝しましたが、画業25年の軌跡を彼女が愛した妻有の地で、初期の代表作「庭」「流」から「方丈」、抽象的な「線」、「□△○」、晩年の「塵」まで、田中芳の歩みに沿って展覧いたしました。

photo Ishizuka Gentaro

作品を展示しているその建物は、240年前に建てられた「ぶなの木学舎」という古民家。豪雪を耐え抜いた骨太な日本家屋に、作品はすっぽりはまり込んでいます。その姿を見るにつけ、作家が生涯をかけて追及してきた、「空間と日本画との関係性」というテーマが如何なく発揮されている空間になったと思われます。
日本画は、襖や障子、屏風、床の間にかける一幅の掛け軸などから生まれました。日本家屋から生まれた絵画の起源というテーマに、ひとり果敢に挑戦してきた田中芳の姿勢が、琳派的な花鳥風月の世界から、抽象的な“線”そのものに移行していく過程と重ね合わせてみることができるでしょう。

photo Ishizuka Gentaro

「私はいつも、作品が自画像の範囲で止まるのではなく、突き抜けて、その背後の“こと"の表現になり、それによって、鑑賞者の心を映すものになることを望んでいるー田中芳(個展「庭皿」に寄せてより抜粋)」

photo Ishizuka Gentaro

(レポート 奥野恵, reported by Kei Okuno, Art Front Gallery)

大地の芸術祭のパスポートは東京事務局、代官山のアートフロントギャラリーでも販売しております。ガイドブックと合わせ出発前に手に入れて事前に計画を練って行かれると効率よく廻れます。

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