展覧会Exhibition

鯨津朝子 Out of Space : Berlin - Tokyo 2009
鯨津朝子制作風景
鯨津朝子制作風景

  • 鯨津朝子 Out of Space : Berlin - Tokyo 2009
  • 鯨津朝子制作風景

サムネイルをクリックすると、拡大表示します。

鯨津朝子 Out of Space : Berlin - Tokyo 2009

2009.12.8(火) - 12.27(日) 

この度アートフロントグラフィックスでは、線によるドローイングで独自の表現方法を追求する作家、鯨津朝子の作品をご紹介いたします。

鯨津の創作の場は美術館、ギャラリーのみに制限されることなく、横浜の赤レンガ倉庫や小学校、公共施設、時には住宅など様々な建造物が作品展示の場となります。また、近年は主に“線”を描くという創作スタイルをとっている彼女の作品表現は、額装されたドローイング作品、建物の壁面から天井へと繋がる作品、また時には建物の中だけでなく、その外へと広がっていき、変幻自在にその姿を変えて表現されます。それぞれの空間から受けたインスピレーションをもとに、ドローイングで描かれた線は、まるで生き物のように自在に時間や空間を泳ぎ、無限に広がります。作家によって命を吹き込まれた“線”たちが織り成す生命力溢れる世界は、輪舞(ロンド)となって、見るものに新たな視覚・知覚世界を提示します。彼女の創り出すその有機的な知覚空間に入り、動きながら作品を見ることによって、鑑賞者はあらためて人間の身体感覚を呼び覚まされるのです。あらゆるものがデジタル化した現代に相対するかのように、鯨津の作品はあくまでも身体感覚にこだわっているようです。そうして提示された作品である“線”たちを前に、見るものは作家が確かにそこを通過したという生命の跡を見るのであり、それを無意識に確認することによって作品と交歓するのです。 
作家の詳しいプロフィール、作品については下記リンクにある作家ページをご覧ください。
日程 2009.12.8(火) - 12.27(日) 
営業時間 11:00 - 19:00 (月曜休廊)
イベント オープニングレセプション:12月8日(火)18:00~20:00
作家来廊日 12月12日(土)、13日(日)、19日(土)
アートフロントグラフィックスの展示では、空間を最大限に生かし、平面作品とともに、そこから派生しさらに3次元へと展開した作品を展示、ご紹介いたします。これらの作品群からは、常に多様なベクトルをも見据えながら創作を行う作家の断面が浮かびあがってくるでしょう。現在、拠点をヨーロッパにおいている作家の久々の国内ギャラリー展示となります。
今回の展覧会では、作家がギャラリーの壁面に、直に作品を描きます。ギャラリーに一歩足を踏み入れると、まるで自分が絵画の世界の中に入ってしまったような、自分も作品の一部にでもなってしまったような不思議な感覚を覚えることでしょう。
この、不思議なアート世界、ぜひ体感してみてはいかがでしょう。

鯨津 朝子 / Asako Tokitsu

■略歴
1965 東京都生まれ
1989 多摩美術大学絵画科油画専攻卒業
1991 多摩美術大学大学院 美術研究科修士課程修了
1997 「ガスコーニュ・ジャパニーズ・アート・スカラシップ」の奨学金を受け、アジャン(フランス)で三ヶ月間の現地滞在制作を行う
1999  文化庁芸術家在外研修員として一年間渡仏
     現在、ベルリン在住

■主な個展
2000  「work in progress」 シテ・アンテルナシオナル・デ・ザール(パリ、フランス)
2001  Centre d'Arts Plastiques Albert Chanot(Ville de Clamart、フランス)              
2003  「Lignes Ephemeres」 東京日仏会館(東京)
2004 「Out of spaceー続いてゆく線」 横浜赤レンガ倉庫1号館(神奈川)

■主なグループ展
1992 「MITO ANNUAL '92 《大きな日記、小さな物語》」水戸芸術館(茨城)
1993 「神奈川アートアニュアル '93」 神奈川県民ホールギャラリー(神奈川)
2003 「「本」の現代美術」 うらわ美術館(埼玉)
「「アート・スコープ」の12年ーアーティスト・イン・レジデンスを読み解く」 原美術館(東京)
「まどわしの空間ー遠近法をめぐる現代の15相」 うらわ美術館(埼玉)

■パブリック・コレクション
斎藤記念川口現代美術館(埼玉)
うらわ美術館(埼玉)
ダイムラー・ベンツ(東京)

■公共施設設置作品
2002  横浜にぎわい座 (神奈川)

■公共建築のアートプランニング
2002  エッセン市 リヒテンシュタイン

トップに戻る